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               ■読み下し文 
               
              「ヲイ、お玉どんとの箒を 
                ご覧いつ。出家(しゅつけ) 
                をしたが、 
                坊主になつたよ。その代わり 
                この塵取りは湿気るところに 
                あるせいかして、こんなに毛が 
                生えたよ。可笑しいじやないか。 
                そして、塵取りといふ  
                けれど、羽根も  
                なけりや、葦もないねへ。  
                その代はり▲ 
                根はあるけれど  
                もねへ、全体口が  
                あつて、塵取りただ一  
                度も囀りそうなものだが、  
                気の利かねへ塵取りだヨ。  
              
              ▲△○→段落の繋がり方を示す記号 
                *→判別できない文字  
              ■大江戸瓦版■ 
                 掃除をしない正月について 
                 
               
              江戸では、正月7日までが松の内。この間は、家の掃除は行わない習慣であった。 それは、縁起かつぎとして、箒(ほうき)で幸福をはき出さないため。7日までは手足の爪を切らないのも同じ理由。 
                  
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