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               ■読み下し文 
               
              「さあ今度ははつねさんを 
                胴にあげませうねへ。 
                しかし、あげっばなしはお止し 
                なさいよ、危ないから。「あ、 
                ねへ、止しませうよ。 
                をや、その  
                話を聞いて、もう逃げ 
                ましたよ。どうして捕へませう 
                ねへ。あ、いい事がありますよ。 
                はつね 
                さんは意地が汚いから、この蜜 
                柑の*(かわ)を撒き 
                散らしておきませう。おまへさ 
                んは欺鳥(おとり)に  
                なって、蜜柑を拾っておいでな 
                さいよ。  
              
              ▲△○→段落の繋がり方を示す記号 
                *→判別できない文字  
              ■大江戸瓦版■ 
                 大奥の煤(すす)とりについて 
                 
               
              例年12月13日は、将軍家御宮中の煤払いの日と決められていた。したがって、大名や旗本、その家臣や町家もこの日に前後して煤払いの大掃除を行った。 
                大奥の煤払いでは、終わってから下男や作男が仲間らを胴上げしたり、余興を行ったりする仕来りがあったという。  
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