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               ■読み下し文 
               
              ヲヤヲヤ、若旦那、 
                今日はどういふ 
                風の吹き回  
                しで、私どもへ 
                羽をお休め  
                なさいます。この 
                頃、ぢうやご 
                でもお噂をいたして 
                をりました。もし 
                あなたへつるさんがいらつ 
                しやいましたよ。 
                ** 
                おあげな。そして 
                お供のお方にもだよ。いや 
                もう、若旦那、今年は女に 
                縁がなくつて困りまし 
                たが、やうやくあんな山だしを 
                見付け出しましたが、やぶ鶯▲ 
                の歌をばかり 
                やに、どんな 
                におかしうございませう。  
                ホホホ  
              
              ▲△○→段落の繋がり方を示す記号 
                *→判別できない文字  
              ■大江戸瓦版■ 
                 廓の女のたちについて 
                 
               
              廓に働く女には厳しい階級制度が設けられていた。その序列は、 
                1.「花魁」「傾城」と呼ばれる最上級女郎 
                2.座敷持ち・部屋持ちの上級「花魁」 
                3.「新造」と呼ばれる若い女郎 
                4.「振袖新造」という禿(かむろ)あがりの見習い遊女、客はとらない  
                5.「ばんとう新造」と呼ばれる年季明け後も妓楼に残る花魁の世話役の年増 
                6.「禿(かむろ)」花魁につく6〜14歳の見習少女・・・である。 
              また、 
                7.「遣り手」遊女や禿の監督や客扱いの責任者 
                8. 「茶屋女房」引き手茶屋の女房、遊客の案内・世話係り 
                9. 「茶屋下女」引き手茶屋の下働き 
                たちも廓の商売に欠かせない女性の職業であった。 
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